考え方
積・商・合成関数の微分と、ex・sinx・logx の導関数を使って、いろいろな関数の変化の速さを計算できるようになります。機械学習の学習(誤差逆伝播法)や、物理・経済の変化率の計算の中心にある道具です。
- 導関数 f′(x)
- 各点での変化の速さ(接線の傾き)を表す関数です。
- 合成関数
- (3x+1)4 や e2x のように、関数の中に別の関数(内側)が入った関数です。
- 自然対数 logx
- 底が e(=2.718…)の対数です。数学 III では、logx と書けば自然対数を表します。
数学 II では (xn)′=nxn−1 を学びました。数学 III では、(ex)′=ex、(sinx)′=cosx、(cosx)′=−sinx、(logx)′=x1 を加えます。ex は、微分しても形が変わらない特別な指数関数です。
積の微分は {f(x)g(x)}′=f′(x)g(x)+f(x)g′(x) です。縦 f・横 g の長方形で、縦と横が少しずつ伸びると、面積は2本の細長い帯の分だけ増えるので、2つの項の和になります(下の図)。「微分どうしの積」f′(x)g′(x) ではありません。
商の微分は {g(x)f(x)}′={g(x)}2f′(x)g(x)−f(x)g′(x) です。分子は引き算なので、順番を逆にしないよう注意します。
合成関数は、内側を u=g(x) とおいて「外側の微分 × 内側の微分」で微分します。(3x+1)4 なら、外側 u4 の微分 4u3 に、内側 3x+1 の微分 3 をかけて 12(3x+1)3 です。内側の微分のかけ忘れが、いちばん多いミスです。
縦 f・横 g の長方形で f と g が少し増えると、面積は2本の帯(Δf⋅g と f⋅Δg)の分だけ増えます。右上の小さな角はほとんど 0 なので、(fg)′=f′g+fg′ になります。ポイント
(ex)′=ex、(sinx)′=cosx、(cosx)′=−sinx、(logx)′=x1
積の微分: {f(x)g(x)}′=f′(x)g(x)+f(x)g′(x)
商の微分: {g(x)f(x)}′={g(x)}2f′(x)g(x)−f(x)g′(x)
合成関数の微分: {f(g(x))}′=f′(g(x))⋅g′(x)(外側の微分 × 内側の微分)
解き方の手順
- 式の形を見て、「積」「商」「合成(かっこの中・指数・sin の中が x の式)」のどれかを見分けます。
- 積なら、2つの関数の導関数を先に求めておき、f′g+fg′ に当てはめます。
- 合成なら、内側を u とおき、外側を u で微分してから、内側の微分(ax+b なら a)をかけます。
- 最後に式を整理します(共通の因数でくくってもかまいません)。
例
f(x)=x3cosx を微分しましょう。
- x3 と cosx の積なので、積の微分を使います。
- (x3)′=3x2、(cosx)′=−sinx
- f′(x)=3x2⋅cosx+x3⋅(−sinx)
- f′(x)=3x2cosx−x3sinx
よくある間違い
練習問題でこの間違い方をしたときは、その場でお伝えします。
- 合成関数の微分で内側を掛け忘れ(2x + 1)³ の微分を 3(2x + 1)² だけにするなど、内側の微分を掛け忘れる。合成関数の微分では、外側を微分したあとに内側の微分を掛けます。
- 積の微分を微分の積にする(fg)' = f'g' としてしまう。積の微分は (fg)' = f'g + fg' です。
合成関数の微分(連鎖律)は、ニューラルネットワークの学習(誤差逆伝播法)の中心にある計算です。
問いf(x)=e3x+2 を微分してください。
途中の式
- 内側を u=3x+2 とおくと、f(x)=eu
- f′(x)=eu⋅u′=e3x+2⋅3
- f′(x)=3e3x+2
答えf'(x)は 3e3x+2
一緒にやる
小さく分けて、一緒に解く
1つずつ答えを確かめながら進みます。間違えても大丈夫です。
合成関数の微分(連鎖律)は、ニューラルネットワークの学習(誤差逆伝播法)の中心にある計算です。
f(x)=e−2x+3 を微分してください。
小さな問いに分けて、1つずつ一緒に進めます。
ステップ 1 / 3
外側の関数を微分すると?(内側の −2x+3 はそのまま)
自分でやる
練習問題
数字は毎回変わります。2〜3問続けて解けたら、次の単元や元のレッスンに進みましょう。