考え方
2つ以上の変数で決まる量(コスト・利益・損失関数など)について、1つの変数だけを動かしたときの変化の割合(偏微分)を計算できるようになります。機械学習のパラメータ調整や、複数の要因の感度分析の基本です。
- 偏微分 ∂x∂f(fx)
- y を固定して、x だけを動かしたときの f の変化の割合。
- 全微分
- x と y を同時に少し動かしたときの f の変化。df=fxdx+fydy。
- 連鎖律
- x, y がさらに t の関数のとき、dtdf=fxdtdx+fydtdy。
f(x,y) は、x と y の2つのつまみで値が決まる装置のようなものです。y のつまみを固定して x だけ回したときの変化の割合が、x についての偏微分です。
計算は1変数の微分と同じです。x で偏微分するときは、y をただの数(定数)とみなします。たとえば 3x2y3 を x で偏微分すると、y3 は係数のまま残って 6xy3 になり、y だけの項(5y2 など)は 0 になります。
x と y を同時に少しずつ動かしたときの変化は、「それぞれの偏微分 × 動かした量」の和で近似できます。これが全微分 df=fxdx+fydy で、誤差がどう伝わるかの見積もりにも使えます。
よくある間違いは、x で偏微分するのに、y を含む項まで変数として微分してしまうことです。「いまどの文字で微分しているか」を最初に確かめましょう。
f(x,y)=x2+y2 の等高線(点線の円)。点 P(1, 1) で y=1 に固定したまま x だけ動かすときの変化の割合が ∂x∂f=2x で、P では 2 です。ポイント
∂x∂f: y を定数とみなして x で微分する
∂x∂(cxmyn)=cmxm−1yn(yn は係数として残る)
全微分: df=∂x∂fdx+∂y∂fdy
連鎖律: dtdf(x(t),y(t))=∂x∂fdtdx+∂y∂fdtdy
解き方の手順
- どの文字で偏微分するかを確かめ、それ以外の文字は定数として扱う。
- 項ごとに、偏微分する文字の部分だけを xn→nxn−1 で微分し、ほかの文字は係数として残す。
- 偏微分する文字を含まない項は 0 にする。
- 同類項をまとめて、x と y の式で答える。
例
f(x,y)=2x3y2−4xy+5y3 のとき、∂x∂f を求めてください。
- 2x3y2→6x2y2(y2 は係数として残る)
- −4xy→−4y
- 5y3→0(x を含まない)
- 答え: ∂x∂f=6x2y2−4y
よくある間違い
練習問題でこの間違い方をしたときは、その場でお伝えします。
- 偏微分で他の変数を定数扱いしないx で偏微分するときに、y を含む項も変数として微分してしまう。x で偏微分するときは、x 以外の文字はすべて定数として扱います。
機械学習では、パラメータ x, y で決まるコスト(損失)f(x,y) を小さくするために、片方だけを少し動かしたときの変化の割合(偏微分)を使います。
問いf(x,y)=5x2y2+5x2+3y3 のとき、∂x∂f を求めてください。
途中の式
- x で偏微分するときは、y を定数とみなして x だけで微分します。
- ∂x∂(5x2y2)=10xy2(y2 は定数の係数)
- ∂x∂(5x2)=10x
- ∂x∂(3y3)=0(x を含まない項は定数)
- よって ∂x∂f=10xy2+10x
答え∂f/∂x(x と y の式)は 10xy2+10x
一緒にやる
小さく分けて、一緒に解く
1つずつ答えを確かめながら進みます。間違えても大丈夫です。
機械学習では、パラメータ x, y で決まるコスト(損失)f(x,y) を小さくするために、片方だけを少し動かしたときの変化の割合(偏微分)を使います。
f(x,y)=−4x2y2−4x4−5y2 のとき、∂x∂f を求めてください。
小さな問いに分けて、1つずつ一緒に進めます。
ステップ 1 / 3
−4x2y2 を x で偏微分すると?(y は定数として扱います)
自分でやる
練習問題
数字は毎回変わります。2〜3問続けて解けたら、次の単元や元のレッスンに進みましょう。