考え方
2つの変数で決まる利益や損失が最大・最小になる点を求め、そこが山頂・谷底・峠(鞍点)のどれかを判定できるようになります。予算などの条件がつく最適化は、ラグランジュの未定乗数法で解きます。
- 臨界点
- fx=0 かつ fy=0(∇f=0)となる点。極値の候補。
- ヘッセ行列
- 2階偏導関数を並べた行列 (fxxfxyfxyfyy)。その行列式を D と書く。
- 鞍点
- ある向きには上り、別の向きには下る点(峠・馬の鞍の形)。極値ではない。
- ラグランジュの未定乗数法
- 条件 g(x,y)=0 のもとで極値を探すため、L=f−λg を偏微分して 0 とおく方法。
1変数では f′(x)=0 の点が極値の候補でした。2変数でも同じで、山頂や谷底では、どの向きにも傾きが 0 です。だから fx=0 と fy=0 を連立して解いた点(臨界点)が候補になります。
ただし、傾きが 0 でも極値とは限りません。2階偏導関数から D=fxxfyy−(fxy)2 を計算し、D>0 なら極値(fxx>0 で極小、fxx<0 で極大)、D<0 なら鞍点と判定します。
fxx と fyy の符号がそろっていても、xy の項(fxy)が大きいと鞍点になることがあります。対角成分だけで決めず、必ず D を計算しましょう。
予算のような条件 g(x,y)=0 があるときは、L(x,y,λ)=f(x,y)−λg(x,y) を x, y, λ で偏微分して 0 とおき、連立して解きます。最適な点では f の等高線と条件の線が接していて、2つの勾配が平行(∇f=λ∇g)になることを式にしたものです。
条件 x+y=4(直線)のもとで f=xy を最大にする問題。等高線 xy=2(点線)は直線と2点で交わり、まだ大きくできます。直線に接する xy=4 の接点 (2,2) で最大になります。ポイント
臨界点: fx=0, fy=0
D=fxxfyy−(fxy)2。D>0 かつ fxx>0 → 極小、D>0 かつ fxx<0 → 極大、D<0 → 鞍点
ラグランジュ: L=f(x,y)−λg(x,y) として Lx=Ly=Lλ=0
解き方の手順
- fx と fy を求め、fx=0, fy=0 の連立方程式を解いて臨界点を出す。
- fxx, fxy, fyy を求め、D=fxxfyy−(fxy)2 を計算する。
- D と fxx の符号で、極大・極小・鞍点を判定する。
- 条件つきなら L=f−λg を作り、Lx=0, Ly=0 から λ を消して x と y の関係を出し、条件の式に代入する。
例
f(x,y)=−2x2+2xy−y2+4x の臨界点を求め、極大・極小・鞍点のどれかを判定してください。
- fx=−4x+2y+4、fy=2x−2y
- fy=0 より y=x。fx=0 に代入して −2x+4=0、x=2。臨界点は (2,2)
- fxx=−4、fyy=−2、fxy=2 より D=(−4)(−2)−22=4
- D>0 かつ fxx<0 なので極大。極大値は f(2,2)=−8+8−4+8=4
2つの商品の価格 x, y(百円)を決めると、1日の利益は f(x,y)(千円)と見込まれます。一方の価格がもう一方の売れ行きにも影響するので、xy の項があります。
問いf(x,y)=−3x2+2xy−3y2+20x+20y が最大になる価格の組を、∇f=0 となる点(臨界点)として求め、(x,y) の形で答えてください。
途中の式
- fx=−6x+2y+20(y は定数として微分)、fy=2x−6y+20(x は定数として微分)
- fx=0, fy=0 より {−6x+2y=−202x−6y=−20
- これを解くと (x,y)=(5,5)
- 確かめ: fxx=−6, fyy=−6, fxy=2 で、ヘッセ行列式 D=(−6)(−6)−22=32>0、fxx<0 なので、この点で極大(最大)です。
答え臨界点 (x, y)は (5,5)
一緒にやる
小さく分けて、一緒に解く
1つずつ答えを確かめながら進みます。間違えても大丈夫です。
2つの商品の価格 x, y(百円)を決めると、1日の利益は f(x,y)(千円)と見込まれます。一方の価格がもう一方の売れ行きにも影響するので、xy の項があります。
f(x,y)=−3x2−3xy−2y2+21x+18y が最大になる価格の組を、∇f=0 となる点(臨界点)として求め、(x,y) の形で答えてください。
小さな問いに分けて、1つずつ一緒に進めます。
ステップ 1 / 4
∂x∂f を x, y の式で答えてください。
自分でやる
練習問題
数字は毎回変わります。2〜3問続けて解けたら、次の単元や元のレッスンに進みましょう。