大学・線形代数・ベクトル・行列

連立一次方程式と掃き出し法の練習問題

行基本変形で掃き出し、階数と解の自由度を求められる。

考え方

未知数が3つ以上の連立一次方程式を、行基本変形(掃き出し法)で順序よく解き、解がいくつあるか(階数と自由度)を判断できるようになります。レシートからの単価の逆算や配合の計算、表計算のソルバーの中身にあたります。

拡大係数行列
連立方程式の係数と右辺を、1つの行列に並べたもの。
行基本変形
① 2つの行を入れかえる ② ある行を 0 でない数倍する ③ ある行の定数倍を別の行に足す。解を変えない操作。
階数(rank)
掃き出したあとに残る、0 でない行の数。本当に独立な式の本数にあたる。

中学で習った加減法は「式どうしを引いて文字を消す」操作でした。掃き出し法は、これを決まった順番で行うやり方です。1列目の文字を2行目以降から消し、次に2列目の文字を3行目以降から消し…と、左下を 0 にした階段の形にしていきます。

式どうしを引くときは、左辺だけでなく右辺(定数)も同じように引きます。拡大係数行列なら、最後の列まで含めて行全体を変形します。ここを忘れるのが、いちばん多い間違いです。

階段の形になったら、下の式から順に代入して解を求めます。未知数の数と階数が等しければ解はただ1つです。階数が未知数より少なければ、「未知数の数 − 階数」個の文字を自由に選べて、解は無数にあります。

途中で 0=50 = 5 のような矛盾した行が出たら、その連立方程式には解がありません。

連立方程式の拡大係数行列 [1 2 1 | 7; 1 3 2 | 11; 1 1 3 | 12] を行基本変形で [1 2 1 | 7; 0 1 1 | 4; 0 0 3 | 9] の階段の形にした図。左下が 0 になり、下の行から z = 3、y = 1、x = 2 と求まる12171321111312拡大係数行列121701140039階段の形行基本変形下の行から代入: z = 3 → y = 1 → x = 2
例題の拡大係数行列を行基本変形で階段の形にすると、左下が 0 になり、下の行から z=3z = 3、y=1y = 1、x=2x = 2 と順に求まります。

ポイント

行基本変形: 行の入れかえ・行を 0 でない数倍・ある行の定数倍を他の行に足す(右辺も一緒に)

解の自由度 = 未知数の数 − 階数(解があるとき)

解がある   ⟺  rank⁡A=rank⁡(A∣b)\iff \operatorname{rank} A = \operatorname{rank}(A \mid \boldsymbol{b})

解き方の手順

  1. 係数がそろっている文字(たとえば xx の係数がすべて 1)に注目し、② − ①、③ − ① でその文字を消す(右辺も引く)。
  2. 残った2式から、もう一方の文字を消して1つの文字を求める。
  3. 求めた値を代入して残りの文字を求め、最後に ① に代入して最初の文字を求める。
  4. 3つの式すべてに代入して確かめ、(x,y,z)(x, y, z) の形で答える。

例

{x+2y+z=7①x+3y+2z=11②x+y+3z=12③\begin{cases} x + 2y + z = 7 & \text{①} \\ x + 3y + 2z = 11 & \text{②} \\ x + y + 3z = 12 & \text{③} \end{cases} を解いてください。

  1. ② − ①: y+z=4y + z = 4(右辺も 11−711 - 7)
  2. ③ − ①: −y+2z=5-y + 2z = 5(右辺も 12−712 - 7)
  3. 2式を足して 3z=93z = 9、z=3z = 3。代入して y=1y = 1
  4. ① に代入: x=7−2⋅1−3=2x = 7 - 2 \cdot 1 - 3 = 2。答えは (x,y,z)=(2,1,3)(x, y, z) = (2, 1, 3)

よくある間違い

練習問題でこの間違い方をしたときは、その場でお伝えします。

  • 行基本変形で右辺を変えていない式どうしを引く・定数倍するときに、左辺だけ変形して右辺(定数項)に同じ操作をしない。式どうしを引くときは、右辺(定数)どうしも同じように引きます。拡大係数行列なら最後の列も変形します。

見る

計算例

カフェのテイクアウトで、コーヒー・サンド・ケーキの単価を3日分のレシートから逆算します。どの日もコーヒーは1杯ずつ買っています。

問いコーヒーを xx 円、サンドを yy 円、ケーキを zz 円として、{x+y+z=1300①x+y+2z=1790②x+4y+3z=3750③\begin{cases} x + y + z = 1300 & \text{①} \\ x + y + 2z = 1790 & \text{②} \\ x + 4y + 3z = 3750 & \text{③} \end{cases} を解き、(x,y,z)(x, y, z) の形で答えてください。

途中の式

  1. どの式も xx の係数が 1 なので、② − ①、③ − ① で xx を消します(掃き出し法で1列目を掃き出すのと同じ)。
  2. ② − ①: z=490z = 490
  3. ③ − ①: 3y+2z=24503y + 2z = 2450
  4. この2式を解くと y=490, z=490y = 490,\ z = 490
  5. ① に代入: x=1300−(1⋅490+1⋅490)=320x = 1300 - (1\cdot 490 + 1\cdot 490) = 320
  6. 答え: (x,y,z)=(320,490,490)(x, y, z) = (320, 490, 490)

答え(x, y, z)(円)は (320,490,490)\left(320, 490, 490\right)

一緒にやる

小さく分けて、一緒に解く

1つずつ答えを確かめながら進みます。間違えても大丈夫です。

カフェのテイクアウトで、コーヒー・サンド・ケーキの単価を3日分のレシートから逆算します。どの日もコーヒーは1杯ずつ買っています。

コーヒーを xx 円、サンドを yy 円、ケーキを zz 円として、{x+z=710①x+y+z=1060②x+3z=1430③\begin{cases} x + z = 710 & \text{①} \\ x + y + z = 1060 & \text{②} \\ x + 3z = 1430 & \text{③} \end{cases} を解き、(x,y,z)(x, y, z) の形で答えてください。

小さな問いに分けて、1つずつ一緒に進めます。

ステップ 1 / 4

② − ① で xx を消すと y=□y = \square になります。右辺は?

自分でやる

練習問題

数字は毎回変わります。2〜3問続けて解けたら、次の単元や元のレッスンに進みましょう。

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前後の単元

分からないところがあったら前提まで戻り、分かったら使う先へ進みましょう。

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