大学・線形代数・ベクトル・行列

ベクトル空間・一次独立・基底の練習問題

部分空間・一次独立・基底・次元を判定できる。

考え方

ベクトルの組が互いに重複した情報をもたないか(一次独立)を判定し、空間の「座標軸」にあたる基底と次元を求められるようになります。データ分析で、特徴量どうしの重複(多重共線性)を見つけるときの考え方です。

一次独立
c1a1+⋯+ckak=0c_1\boldsymbol{a}_1 + \cdots + c_k\boldsymbol{a}_k = \boldsymbol{0} となるのが c1=⋯=ck=0c_1 = \cdots = c_k = 0 のときだけであること。どれも残りの組み合わせで作れない。
一次従属
一次独立でないこと。どれかが残りの線形結合で書ける。
基底・次元
空間のどのベクトルもただ1通りに表せる、一次独立なベクトルの組が基底。基底のベクトルの本数が次元。
部分空間
足し算とスカラー倍をしても外に出ないベクトルの集まり(原点を通る直線や平面など)。

平面の2本のベクトルが平行でなければ、その組み合わせで平面のどこへでも行けます。3本目を加えても、それは最初の2本で作れてしまうので、新しい方向は増えません。この「新しい方向を増やすかどうか」が一次独立かどうかです。

3次元のベクトル3本なら、列に並べた行列の行列式で判定できます。行列式が 0 でなければ一次独立で、3本は R3\mathbb{R}^3 の基底になります。0 なら一次従属で、3本は平面か直線の中に収まっています。

張る空間の次元は、行列の階数(掃き出したあとに残る 0 でない行の数)です。階数 2 なら平面、1 なら直線です。

ベクトル空間は矢印に限りません。2次以下の多項式全体も、{1,x,x2}\{1, x, x^2\} や {1,x−2,(x−2)2}\{1, x - 2, (x - 2)^2\} を基底とする3次元の空間です。基底に関する座標とは、p(x)=c0+c1(x−2)+c2(x−2)2p(x) = c_0 + c_1(x - 2) + c_2(x - 2)^2 と表したときの係数の組 (c0,c1,c2)(c_0, c_1, c_2) のことです。

原点からの矢印 a₁ = (2, 1)、a₂ = (1, 2)、b = (4, 2)。b は a₁ と同じ直線(点線)の上にあり、a₂ は別の向きを向いている-11234-1123Oxya₁b = 2a₁a₂
a1=(2,1)\boldsymbol{a}_1 = (2, 1) と a2=(1,2)\boldsymbol{a}_2 = (1, 2) は向きが違うので一次独立で、平面全体を張ります。b=(4,2)=2a1\boldsymbol{b} = (4, 2) = 2\boldsymbol{a}_1 は a1\boldsymbol{a}_1 と同じ直線(点線)上にあり、a1\boldsymbol{a}_1 と組にすると一次従属です。

ポイント

一次独立: c1a1+c2a2+c3a3=0⇒c1=c2=c3=0c_1\boldsymbol{a}_1 + c_2\boldsymbol{a}_2 + c_3\boldsymbol{a}_3 = \boldsymbol{0} \Rightarrow c_1 = c_2 = c_3 = 0

det⁡(a1 a2 a3)≠0\det(\boldsymbol{a}_1\ \boldsymbol{a}_2\ \boldsymbol{a}_3) \neq 0 なら一次独立(R3\mathbb{R}^3 の基底)

張る空間の次元 =rank⁡(a1 a2 a3)= \operatorname{rank}(\boldsymbol{a}_1\ \boldsymbol{a}_2\ \boldsymbol{a}_3)

基底に関する座標: v=c1b1+⋯+cnbn\boldsymbol{v} = c_1\boldsymbol{b}_1 + \cdots + c_n\boldsymbol{b}_n の係数 (c1,…,cn)(c_1, \ldots, c_n)

解き方の手順

  1. ベクトルを列に並べた行列を作る。
  2. 3×3 なら行列式を計算する(サラスの方法)。0 でなければ一次独立で、次元は 3。
  3. 0 なら行基本変形で階数を求める。平行でない2本があれば平面(2次元)、すべて平行なら直線(1次元)。
  4. 多項式の座標を求めるときは、xx に中心の値を代入して c0c_0 を出し、両辺の係数を比べて残りを決める。

例

a1=(1,2,0)\boldsymbol{a}_1 = (1, 2, 0)、a2=(0,1,1)\boldsymbol{a}_2 = (0, 1, 1)、a3=(2,5,1)\boldsymbol{a}_3 = (2, 5, 1) は一次独立ですか。張る空間の次元も答えてください。

  1. 列に並べた行列 (102215011)\begin{pmatrix} 1 & 0 & 2 \\ 2 & 1 & 5 \\ 0 & 1 & 1 \end{pmatrix} の行列式: (1+0+4)−(0+5+0)=0(1 + 0 + 4) - (0 + 5 + 0) = 0
  2. 行列式が 0 なので一次従属です。実際、a3=2a1+a2\boldsymbol{a}_3 = 2\boldsymbol{a}_1 + \boldsymbol{a}_2 です。
  3. a1\boldsymbol{a}_1 と a2\boldsymbol{a}_2 は平行ではないので、張る空間は平面(2次元)。階数は 2 です。

見る

計算例

データ分析では、特徴量(列)どうしが重複した情報を持っていないかを、ベクトルの一次独立で調べます。3件のデータでの3つの特徴量を、平均からの差のベクトル a1,a2,a3\boldsymbol{a}_1, \boldsymbol{a}_2, \boldsymbol{a}_3 で表しました。

問いa1=(−1−1−2)\boldsymbol{a}_1 = \begin{pmatrix} -1 \\ -1 \\ -2 \end{pmatrix}、a2=(−2−2−4)\boldsymbol{a}_2 = \begin{pmatrix} -2 \\ -2 \\ -4 \end{pmatrix}、a3=(112)\boldsymbol{a}_3 = \begin{pmatrix} 1 \\ 1 \\ 2 \end{pmatrix} について、正しいものはどれですか?

  1. 1一次独立(3本で R3\mathbb{R}^3 の基底になる)
  2. 2一次従属で、張る空間は平面(2次元)
  3. 3一次従属で、張る空間は直線(1次元)正解

途中の式

  1. 3本を列に並べた行列 A=(−1−21−1−21−2−42)A = \begin{pmatrix}-1 & -2 & 1 \\ -1 & -2 & 1 \\ -2 & -4 & 2\end{pmatrix} の行列式(サラスの方法): 12−12=012 - 12 = 0
  2. 行基本変形で簡約階段行列にすると (12−1000000)\begin{pmatrix}1 & 2 & -1 \\ 0 & 0 & 0 \\ 0 & 0 & 0\end{pmatrix} で、階数は 1 です。
  3. 行列式が 0 なので一次従属です。どのベクトルも a1\boldsymbol{a}_1 の定数倍で、張る空間は直線(1次元)です。

答え一次独立・張る空間の次元は 3. 一次従属で、張る空間は直線(1次元)

一緒にやる

小さく分けて、一緒に解く

1つずつ答えを確かめながら進みます。間違えても大丈夫です。

データ分析では、特徴量(列)どうしが重複した情報を持っていないかを、ベクトルの一次独立で調べます。3件のデータでの3つの特徴量を、平均からの差のベクトル a1,a2,a3\boldsymbol{a}_1, \boldsymbol{a}_2, \boldsymbol{a}_3 で表しました。

a1=(333)\boldsymbol{a}_1 = \begin{pmatrix} 3 \\ 3 \\ 3 \end{pmatrix}、a2=(2−22)\boldsymbol{a}_2 = \begin{pmatrix} 2 \\ -2 \\ 2 \end{pmatrix}、a3=(−1−5−1)\boldsymbol{a}_3 = \begin{pmatrix} -1 \\ -5 \\ -1 \end{pmatrix} について、正しいものはどれですか?

小さな問いに分けて、1つずつ一緒に進めます。

ステップ 1 / 3

3本を列に並べた行列 A=(a1 a2 a3)A = (\boldsymbol{a}_1\ \boldsymbol{a}_2\ \boldsymbol{a}_3) の行列式は?

自分でやる

練習問題

数字は毎回変わります。2〜3問続けて解けたら、次の単元や元のレッスンに進みましょう。

問題を準備しています…

学び直しマップ

前後の単元

分からないところがあったら前提まで戻り、分かったら使う先へ進みましょう。

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