線形写像と表現行列の練習問題
線形写像を行列で表し、核と像・次元定理が分かる。
考え方
足し算と定数倍を保つ変換(線形写像)を行列で表し、変換を続けたときの行列や、変換でつぶれる方向(核)の次元を求められるようになります。画像処理の変換の合成や、配合・生産計画の自由度の分析に使います。
- 線形写像
- と を満たす写像。
- 表現行列
- 線形写像を と表したときの行列 。
- 核
- となる 全体。変換で につぶれる方向。
- 階数
- 像( として現れるベクトル全体)の次元。
線形写像は、足し算と定数倍の関係を崩さない変換です。だから基本のベクトル , の行き先さえ分かれば、 の行き先はすべて決まります。
表現行列は、 の行き先を1列目、 の行き先を2列目に並べた行列です。 のように式で与えられたら、各成分の係数を行ごとに並べて とします。
をしてから をする合成 は、 なので、表現行列は (あとの変換が左)です。
行列 は、 から への写像です。核の次元と階数の和は、もとの空間の次元(列の数 )に等しくなります(次元定理)。行の数から引かないように注意します。
ポイント
表現行列 (行き先を列に並べる)
合成:
次元定理: ( は 行列、 は列の数)
解き方の手順
- 行き先が分かっているときは、, の行き先を列に並べて表現行列を作る。式で与えられたときは係数を行ごとに並べる。
- 合成 なら、あとからかける の行列を左にして を計算する。
- 核の次元を聞かれたら、行基本変形で階段の形にして、0 でない行の数(階数)を数える。
- 次元定理で、 =(列の数)− を求める。
例
は を に、 を に移す線形変換、 です。 の表現行列を求めてください。
- (行き先を列に並べる)
- (係数を行ごとに並べる)
- 確かめ: で一致します。
よくある間違い
練習問題でこの間違い方をしたときは、その場でお伝えします。
- 次元定理で行の数から引くdim ker A を「行の数 − rank A」とするなど、次元定理で引くもとの次元を取り違える(正しくは定義域の次元=列の数)。次元定理は dim ker A + rank A = 定義域の次元 です。A が m×n 行列なら、定義域の次元は列の数 n です。
見る
計算例
4種類の原料の配合量の変化 から、3つの成分(たんぱく質・脂質・糖質)の量の変化を で計算します( は 3×4 行列)。成分を変えずに配合だけを変える方法は、核 の要素です。
問い のとき、 の次元を求めてください。
途中の式
- 行基本変形(行の入れかえ・0 でない数で割る・ある行の定数倍を他の行に足す)で、簡約階段行列にします。
- 0 でない行は 2 行なので
- 次元定理 (定義域 の次元 = 列の数)より、
- 成分を変えない配合の変え方には、2 方向分の自由度があります。
答えdim ker Aは
一緒にやる
小さく分けて、一緒に解く
4種類の原料の配合量の変化 から、3つの成分(たんぱく質・脂質・糖質)の量の変化を で計算します( は 3×4 行列)。成分を変えずに配合だけを変える方法は、核 の要素です。
のとき、 の次元を求めてください。
小さな問いに分けて、1つずつ一緒に進めます。
ステップ 1 / 3
行基本変形で階段行列にしたとき、0 でない行は何行ありますか?(これが階数 )
自分でやる
練習問題
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前後の単元
この単元の前に(前提)
- 線形代数ベクトル空間・一次独立・基底練習問題あり
この単元を使う先
- 線形代数固有値・固有ベクトルと対角化練習問題あり