実務ではこんな場面で
CRM(顧客管理システム)で今期の数字を見ると、商談120件、受注30件。上司から「成約率は?」と聞かれました。
営業の数字は、リード(見込み客)→ 商談 → 受注 と、段階ごとに絞られていきます。この流れを、上が広く下が細い漏斗(じょうご)に見立てて「営業ファネル」と呼びます。
どの段階の、何に対する割合なのか。ここを取り違えると、同じデータから違う数字が出てきます。このレッスンでは、成約率の求め方と、ファネルを使った受注の見積もりを整理します。
考え方
成約率の求め方
成約率 = 受注数 ÷ 商談数
「商談のうち、何%が受注になったか」なので、もとにする量(100%)は商談数です。リード数ではありません。割合とは何かの「割合 = 部分 ÷ 全体」で、全体が商談、部分が受注にあたります。
30 ÷ 120 = 0.25 = 25%。
商談化率と営業ファネルの計算
商談化率 = 商談数 ÷ リード数
ファネルでは、段階ごとに「ひとつ手前の数」がもとにする量になります。受注の見込みは、上から順に掛けていきます。
受注数 = リード数 × 商談化率 × 成約率
リード800件、商談化率20%、成約率25%なら、次のとおりです。
- 商談: 800 × 0.2 = 160件
- 受注: 160 × 0.25 = 40件
なぜ掛け算を重ねるのでしょう。成約率25%は「商談160件のうちの25%」だからです。リード800件に直接25%を掛けるのではありません。
Web上の成果を測るCVRも、同じ「部分 ÷ 全体」の形です。
見る
計算例
今期、あなたのチームの商談は120件、そのうち受注は30件でした。
- 商談数
- 120件
- 受注数
- 30件
問い成約率は何%ですか?
途中の式
- 成約率 = 受注数 ÷ 商談数
- 30 ÷ 120 = 0.25 = 25%
答え成約率は 25%
図で確かめる
マスをクリック(なぞる)と塗れます。キーボードでは矢印キーで移動し、スペースで塗る・消すを切り替えます。
塗ったマス: 0個 → 0/100 = 0 = 0%
25マスを塗ってみてください。商談が120件なら、この100マスが1.2枚分。受注は25 × 1.2 = 30件です。
よくある間違い
成約率をリード数に掛ける
- ❌ 800 × 0.25 = 200件
- ⭕ 800 × 0.2 = 160件(商談)→ 160 × 0.25 = 40件
成約率は「商談に対する」割合です。受注40件 ÷ リード800件 = 5% は「リードから受注までの割合」という別の数字で、成約率とは区別します。
ファネルの割合を足してしまう
- ❌ 商談化率20% + 成約率25% = 45% → 800 × 0.45 = 360件
- ⭕ 800 × 0.2 × 0.25 = 40件
2つの割合は、もとにする量が違います(リードと商談)。足さずに、順に掛けます。
商談数と受注数を逆に割る
- ❌ 120 ÷ 30 = 4 → 400%
- ⭕ 30 ÷ 120 = 0.25 → 25%
受注は商談の一部なので、成約率が100%を超えることはありません。
紙に書いてみよう
紙に大きな逆三角形(漏斗)を書き、上から「リード」「商談」「受注」の3段に区切ります。段と段の間に「商談化率」「成約率」と書き、それぞれ何 ÷ 何で出すかを横に書き込みましょう。
自分のチームの数字がわかれば、その数字で式だけ書いてみてください。手元になければ、リード1,000件・商談化率10%・成約率20% として、電卓を使わず式を並べてみましょう。