実務ではこんな場面で
店頭の値札に「30%OFF」とあるとき、レジでいくら払うのか。取引先に出す見積書で「定価から1割お値引き」と書くとき、見積金額はいくらになるのか。
値引きの計算は、売る側でも買う側でもよく出てきます。「何割引き」という言い方もあります。1割は10%のことなので、3割引きは30%OFFと同じです。
計算そのものは掛け算と引き算だけです。ただ、「何を100%とするか」を取り違えると数字がずれます。このレッスンでは、30%オフの計算、値引率の求め方、割引の重ねがけの3つを整理します。
考え方
30%オフの計算(売値を求める)
売値 = 定価 × (100% − 値引率)
30%OFFは「定価の70%を払う」ということです。定価8,000円なら、8,000 × 0.7 = 5,600円。
値引額を先に出す方法もあります。8,000 × 0.3 = 2,400円を引いて、8,000 − 2,400 = 5,600円。どちらも同じ答えです。
値引率の求め方(割引率の求め方)
値引率 = 値引額 ÷ 定価
もとにする量は定価です。「定価に対して、いくら引いたか」の割合だからです。割合とは何かの「割合 = 部分 ÷ 全体」で、全体が定価、部分が値引額にあたります。
定価12,000円の商品を9,000円で売ったなら、値引額は3,000円。3,000 ÷ 12,000 = 0.25 = 25%です。
割引の重ねがけは掛け算で
「30%OFFから、さらに20%OFF」の場合、2回目の20%は値引き後の価格にかかります。
定価20,000円なら、まず 20,000 × 0.7 = 14,000円。さらに 14,000 × 0.8 = 11,200円です。まとめると 20,000 × 0.7 × 0.8 = 20,000 × 0.56。定価の56%を払うので、全体では44%OFFです。
%と小数の変換や、10%ずつの暗算は10%・20%・30%で確認できます。
見る
計算例
定価8,000円の商品が「30%OFF」で売られています。
- 定価
- 8,000円
- 値引率
- 30%
問い売値はいくらですか?
途中の式
- 30%OFF = 定価の70%で買える
- 70% = 0.7
- 8,000 × 0.7 = 5,600円
- (別解)値引額 8,000 × 0.3 = 2,400円、8,000 − 2,400 = 5,600円
答え売値は 5,600円
図で確かめる
スライダーで値引率を変えて、値引額と売値が逆向きに動くのを見てみましょう。
全体を10等分しています。1ブロックは 800円(全体の 10%)です。 ブロックを押すと選べます。
選んだブロック: 0 / 10 = 0% → 0円
8,000 × 0/10 = 0 (全体 × 割合 = 部分)
8,000円を10等分すると、1ブロックは800円です。値引きにあたる3ブロックを選ぶと、残りの7ブロックが売値になります。
よくある間違い
売値を基準に値引率を出す
- ❌ 3,000 ÷ 9,000 = 0.333… → 約33%
- ⭕ 3,000 ÷ 12,000 = 0.25 → 25%
値引率のもとにする量は定価です。値引き後の売値で割ると、値引率が実際より大きく出てしまいます。
割引を足し算で重ねる
- ❌ 30%OFF + 20%OFF = 50%OFF → 20,000 × 0.5 = 10,000円
- ⭕ 20,000 × 0.7 × 0.8 = 11,200円(44%OFF)
2回目の20%は、定価ではなく1回目の値引き後の14,000円にかかります。割合は足さずに、「払う割合」を掛け合わせます。
値引額と売値を取り違える
- ❌ 「30%OFFの売値は?」に 8,000 × 0.3 = 2,400円 と答える
- ⭕ 8,000 × 0.7 = 5,600円
2,400円は値引きされる額です。払うのは残りの70%のほうです。
紙に書いてみよう
長方形を1本書いて10等分し、3マスに斜線を引きます。斜線が値引額、白いマスが払う額です。定価を8,000円として、1マスあたりの金額を書き込んでみましょう。
余裕があれば、10×10の100マスで重ねがけも試してください。まず30マスに斜線を引き、残った70マスの20%にも斜線を引きます。白いマスがいくつ残るかを数えると、足し算の50%OFFとは結果が違う理由が見えてきます。