考え方
二項分布・ポアソン分布・指数分布・正規分布の形と使いどころが分かり、二項分布で「n 人中ちょうど k 人」の確率を計算できるようになります。クーポンの利用人数、窓口への到着数、待ち時間、測定誤差などのモデルです。
- 二項分布 B(n,p)
- 成功確率 p の試行を独立に n 回行ったときの、成功回数の分布。
- ポアソン分布
- 一定時間に平均 λ 回起こる、まれな出来事の回数の分布(来店数・問い合わせ数など)。
- 指数分布
- 次の出来事が起こるまでの待ち時間の分布。
- 正規分布 N(μ,σ2)
- 平均 μ を中心に左右対称な釣り鐘型の分布。測定誤差や、多くの要因の和に現れる。
二項分布は「使う/使わない」のような2択を、互いに影響せずに n 回くり返したときの「使う回数」の分布です。特定の k 人が使い、残りの n−k 人が使わない確率は pk(1−p)n−k です。
ただし「だれが使うか」の選び方が nCk 通りあるので、それをかけます。選び方をかけ忘れると、「特定の k 人が使う確率」のままになってしまいます。
平均と分散は、二項分布なら np と np(1−p)、ポアソン分布ならどちらも λ です。n が大きく p が小さいとき、二項分布は λ=np のポアソン分布で近似でき、n が大きいときは正規分布でも近似できます。
時間や重さのような連続的な量は、確率密度関数 f(x) のグラフの面積で確率を表します。指数分布は f(x)=λe−λx(平均 λ1)、正規分布は μ±1.96σ の範囲に約 95% が入ります。
当たる確率 41 のくじを5回引いたときの、当たる回数の分布(二項分布 B(5,41))。平均は np=1.25 回で、1回当たる確率がいちばん高くなります。ポイント
二項分布: P(X=k)=nCkpk(1−p)n−k、E[X]=np、V[X]=np(1−p)
ポアソン分布: P(X=k)=e−λk!λk、E[X]=V[X]=λ
指数分布: f(x)=λe−λx(x≥0)、E[X]=λ1
正規分布: Z=σX−μ は標準正規分布 N(0,1) に従う
解き方の手順
- 「同じ確率で、独立にくり返す2択」かを確かめ、試行回数 n、成功確率 p、成功回数 k を読み取る。
- 選び方 nCk=k!(n−k)!n! を計算する。
- 特定の k 回が成功し、残りが失敗する確率 pk(1−p)n−k を計算する。
- 選び方の数とかけ合わせ、既約分数で答える。
例
当たる確率が 41 のくじを5回引きます(毎回もとに戻す)。ちょうど2回当たる確率は?
- 選び方: 5C2=2⋅15⋅4=10 通り
- 特定の2回が当たり、残り3回が外れる確率: (41)2(43)3=161⋅6427=102427
- 10×102427=1024270=512135
会員にクーポンを配ると、1人がそのクーポンを使う確率は 31 です。会員どうしの行動は互いに影響しないものとします。
- クーポンを配った人数
- 4人
- 使う人数
- 2人
問い4 人に配ったとき、ちょうど 2 人がクーポンを使う確率を求めてください。
途中の式
- クーポンを使う人数 X は二項分布 B(4,31) に従います: P(X=k)=nCkpk(1−p)n−k
- P(X=2)=4C2(31)2(32)2=6×814=278
- 4 人のうちだれが使うかの選び方 4C2=6 通りは、順番を区別しない組合せです。
答え確率(既約分数で)は 278
一緒にやる
小さく分けて、一緒に解く
1つずつ答えを確かめながら進みます。間違えても大丈夫です。
会員にクーポンを配ると、1人がそのクーポンを使う確率は 52 です。会員どうしの行動は互いに影響しないものとします。
6 人に配ったとき、ちょうど 3 人がクーポンを使う確率を求めてください。
小さな問いに分けて、1つずつ一緒に進めます。
ステップ 1 / 3
6 人のうちクーポンを使う 3 人の選び方は何通り?
自分でやる
練習問題
数字は毎回変わります。2〜3問続けて解けたら、次の単元や元のレッスンに進みましょう。