考え方
ex や log(1+x)、cosx のような関数を、ある点の近くで多項式で近似できるようになります。電卓やプログラムが関数の値を計算するしくみや、工学の「小さいときの近似」の土台です。
- マクローリン展開
- x=0 のまわりでのテイラー展開。f(x)≈f(0)+f′(0)x+2!f′′(0)x2+⋯
- n!(階乗)
- 1 から n までの積。3!=6。0!=1 と決めます。
関数のグラフを、ある点の近くだけでまねする多項式を作ります。まず値をそろえ(定数項)、次に傾きをそろえ(1次の項)、さらに曲がり方をそろえ(2次の項)…と、項を足すほど近似がよくなります。
xn の係数を cn とすると、多項式を n 回微分して x=0 を代入した値は n!cn です。だから元の関数と n 回微分した値をそろえるには、cn=n!f(n)(0) とすればよいのです。
f(x)=e2x なら、微分するたびに 2 がかかり、f(n)(0)=2n です。よって e2x≈1+2x+2x2+34x3 となります。内側の係数をかけ忘れると、ex の展開になってしまいます。
近似がよいのは中心(ここでは x=0)の近くだけです。離れるほど誤差が大きくなり、どこまで使えるかは「級数とべき級数」の単元で収束半径として調べます。
y=ex と、マクローリン展開を1次で打ち切った 1+x(点線)、2次で打ち切った 1+x+2x2。x=0 の近くではほぼ重なり、項を増やすほど広い範囲で近くなります。ポイント
f(x)≈f(0)+f′(0)x+2!f′′(0)x2+3!f′′′(0)x3
テイラー展開(x=a のまわり): f(x)≈n=0∑Nn!f(n)(a)(x−a)n
ex=1+x+2!x2+3!x3+⋯、cosx=1−2!x2+⋯、log(1+x)=x−2x2+3x3−⋯
解き方の手順
- f′(x)、f′′(x)、f′′′(x) を順に求める(内側の係数が、微分するたびにかかる)。
- x=0 を代入して f(0)、f′(0)、f′′(0)、f′′′(0) を求める。
- それぞれを 0!,1!,2!,3!(=1,1,2,6)で割って、1,x,x2,x3 の係数にする。
- 係数が 0 の項を省き、分数は約分して多項式にまとめる。
例
f(x)=log(1+4x) のマクローリン展開を、x3 の項まで求めてください。
- f′(x)=1+4x4、f′′(x)=−(1+4x)216、f′′′(x)=(1+4x)3128
- f(0)=0、f′(0)=4、f′′(0)=−16、f′′′(0)=128
- 係数: 1!4=4、2!−16=−8、3!128=364
- log(1+4x)≈4x−8x2+364x3
電卓やプログラムは、ex や logx、cosx のような関数を、x=0 の近くでは多項式で近似して計算しています。この近似がマクローリン展開です。
問いf(x)=cos(3x) のマクローリン展開を、x3 の項まで求めてください(係数が 0 の項は書かなくてかまいません)。
途中の式
- マクローリン展開: f(x)≈f(0)+f′(0)x+2!f′′(0)x2+3!f′′′(0)x3
- f′(x)=−3sin(3x)、f′′(x)=−9cos(3x)、f′′′(x)=27sin(3x)(合成関数の微分で、微分するたびに 3 がかかります)
- f(0)=1、f′(0)=0、f′′(0)=−9、f′′′(0)=0
- よって f(x)≈1−29x2
答えx^3 の項までの多項式は 1−29x2
一緒にやる
小さく分けて、一緒に解く
1つずつ答えを確かめながら進みます。間違えても大丈夫です。
電卓やプログラムは、ex や logx、cosx のような関数を、x=0 の近くでは多項式で近似して計算しています。この近似がマクローリン展開です。
f(x)=log(1−3x) のマクローリン展開を、x3 の項まで求めてください(係数が 0 の項は書かなくてかまいません)。
小さな問いに分けて、1つずつ一緒に進めます。
ステップ 1 / 3
f′(x) は?
自分でやる
練習問題
数字は毎回変わります。2〜3問続けて解けたら、次の単元や元のレッスンに進みましょう。