考え方
無限に続く足し算(級数)が一定の値に落ち着くかを判定し、等比級数の和や、べき級数が使える範囲(収束半径)を求められるようになります。毎週減っていく効果の合計や、関数の近似が使える範囲の見極めに使います。
- 級数
- 数列の項を限りなく足した n=1∑∞an。部分和 SN=a1+⋯+aN が近づく値が級数の和。
- べき級数
- ∑cn(x−a)n の形の、無限に続く多項式。a を中心という。
- 収束半径 R
- べき級数が ∣x−a∣<R で収束し、∣x−a∣>R で発散する境目の距離。
21+41+81+⋯ は、足すたびに残りの半分を埋めていくので、和は 1 に近づきます。このように部分和がある値に近づくとき、級数は収束するといいます。
等比級数は、公比 r が ∣r∣<1 のときだけ収束し、和は 1−r初項 です。たとえば n=1∑∞6(31)n は初項 2(n=1 の項)、公比 31 なので、和は 1−1/32=3 です。
項が 0 に近づくことは、収束の必要条件にすぎません。調和級数 1+21+31+⋯ は、項が 0 に近づくのに和は限りなく大きくなります。∑np1 は p>1 のとき収束します。
べき級数は、隣どうしの係数の比を見ます。cncn+1→L なら、項はおよそ公比 L∣x−a∣ の等比級数のようにふるまうので、∣x−a∣<L1 で収束します。収束半径は比の極限 L ではなく、その逆数です。
21+41+81+⋯ の部分和 S1=0.5、S2=0.75、S3=0.875、… は 1 に限りなく近づきます。この級数の和は 1 です。ポイント
等比級数: ∣r∣<1 のとき、和 =1−r初項(n=0∑∞arn=1−ra)
n=1∑∞np1 は p>1 で収束、p≤1 で発散
収束半径: n→∞limcncn+1=L なら R=L1(ダランベールの判定法)
解き方の手順
- 等比級数なら、公比 r を読み取り、∣r∣<1 かを確かめる。
- 初項(n=1 から始まるなら n=1 を代入した項)を求め、1−r初項 を計算する。
- べき級数なら、係数 cn を取り出し、cncn+1 を約分して n→∞ の極限 L を求める。
- 収束半径は R=L1。中心(x−a の a)は半径に関係しない。端の点は p 級数などで別に調べる。
例
べき級数 n=1∑∞7nn23n(x−1)n の収束半径を求めてください。
- cn=7nn23n とします。
- cncn+1=7n+1(n+1)23n+1⋅3n7nn2=73(n+1n)2
- n→∞ で (n+1n)2→1 なので L=73
- 収束半径は R=L1=37(中心 x=1 から距離 37 未満で収束)
よくある間違い
練習問題でこの間違い方をしたときは、その場でお伝えします。
- 比の極限をそのまま収束半径にするダランベールの判定法で、∣cn+1/cn∣ の極限 L をそのまま収束半径とし、逆数をとり忘れる。係数の比の極限 L が大きいほど、収束する範囲はせまくなります。収束半径は L の逆数です。
- 項が 0 に近づけば級数は収束すると考える項が 0 に近づくことを、級数が収束するための十分条件と考える(調和級数 Σ1/n は項が 0 に近づくが発散する)。項が 0 に近づくのは、収束するための必要条件にすぎません。項の減り方が遅いと、和が限りなく大きくなることがあります。
関数をべき級数(無限に続く多項式)で表すと、計算機で近似値を求められます。ただし、べき級数が収束する(近似として使える)のは、中心からある距離(収束半径)より近い x だけです。
問いべき級数 n=1∑∞5nn26n(x−1)n の収束半径 R を求めてください。
途中の式
- ダランベールの判定法: n→∞limcncn+1=L なら、収束半径は R=L1 です。
- cn=5nn26n とすると cncn+1=56⋅(n+1n)2→56 (n→∞)
- R=L1=65。∣x−1∣<65 で収束し、∣x−1∣>65 で発散します。
- 端の点 x=611 では級数が n=1∑∞n21 になります。p 級数 ∑np1 は p>1 のとき収束します。ここでは p=2 なので収束します。
答え収束半径 Rは 65
一緒にやる
小さく分けて、一緒に解く
1つずつ答えを確かめながら進みます。間違えても大丈夫です。
関数をべき級数(無限に続く多項式)で表すと、計算機で近似値を求められます。ただし、べき級数が収束する(近似として使える)のは、中心からある距離(収束半径)より近い x だけです。
べき級数 n=1∑∞6nn21(x+2)n の収束半径 R を求めてください。
小さな問いに分けて、1つずつ一緒に進めます。
ステップ 1 / 3
cn=6nn21 とします。cncn+1 の n→∞ での極限 L は?
自分でやる
練習問題
数字は毎回変わります。2〜3問続けて解けたら、次の単元や元のレッスンに進みましょう。