考え方
限りなく続く数列が近づく値(極限)を調べ、無限に足し続けた合計(無限等比級数の和)を求められるようになります。広告効果の累計、薬が体内に残る量、ずっと続く支払いの合計の見積もりなどに使います。
- 収束・発散
- 数列がある値に限りなく近づくことを収束、そうならないことを発散といいます。
- 極限 limn→∞an
- n を限りなく大きくしたときに、an が近づく値です。
- 無限級数
- 数列の項を限りなく足し続けたもの a1+a2+a3+⋯ です。
- 部分和 Sn
- 初項から第 n 項までの和です。無限級数の和は、Sn が近づく値として決めます。
数列 1,21,31,41,… は、n を大きくするほど 0 に限りなく近づきます。これを limn→∞n1=0 と書き、「0 に収束する」といいます。2n のように限りなく大きくなるものや、(−1)n のように行ったり来たりするものは発散します。
等比数列 rn は、∣r∣<1 なら 0 に収束します。(21)n は、半分、また半分と小さくなっていきます。一方、r>1 なら限りなく大きくなり、r≤−1 なら振動して収束しません。
初項 a、公比 r の等比数列の部分和は Sn=1−ra(1−rn) です。∣r∣<1 なら rn→0 なので、Sn は 1−ra に近づきます。これが無限等比級数の和です。
無限に足しても有限の値になるのは、足す量がどんどん小さくなるからです。1+21+41+⋯ は、長さ 2 のテープの残りを半分ずつ埋めていくようなもので、合計は 2 に近づきます(下の図)。∣r∣≥1 では(初項が 0 でなければ)収束しないので、公式を使う前に必ず公比を確かめます。
1+21+41+81+⋯ は、長さ 2 のテープの残りを半分ずつ埋めていく足し算です。部分和は 1, 1.5, 1.75, 1.875, … と 2 に近づきます。ポイント
∣r∣<1 のとき n→∞limrn=0
無限等比級数 a+ar+ar2+⋯(a=0)は、∣r∣<1 のとき収束して、和は 1−ra
∣r∣≥1 のときは発散する
解き方の手順
- 問題の量を、初項 a・公比 r の等比数列の和として読み取ります(「前の何倍か」が公比です)。
- ∣r∣<1 であることを確かめます(収束するかどうか)。
- 先に 1−r を計算します(分数なら通分します)。
- a÷(1−r) を計算し、分数は約分して答えます。
例
無限等比級数 9−29+49−⋯ の和を求めましょう。
- 初項 a=9、公比 r=−29÷9=−21
- ∣r∣=21<1 なので収束します。
- 1−r=1−(−21)=23
- 和は 9÷23=9×32=6
ある広告を出すと、1週目に25件の問い合わせがあり、その後は毎週、前の週の 52 倍の問い合わせが続くとします。
- 1週目の問い合わせ
- 25件
問いこの広告による問い合わせの合計は、週をどこまでも続けると何件に近づきますか?
途中の式
- 初項 25、公比 52 の無限等比級数です。
- ∣r∣<1 なので収束し、和は 1−ra=1−5225=5325=3125
答え問い合わせの合計(極限)は 3125
一緒にやる
小さく分けて、一緒に解く
1つずつ答えを確かめながら進みます。間違えても大丈夫です。
ある広告を出すと、1週目に19件の問い合わせがあり、その後は毎週、前の週の 53 倍の問い合わせが続くとします。
この広告による問い合わせの合計は、週をどこまでも続けると何件に近づきますか?
小さな問いに分けて、1つずつ一緒に進めます。
自分でやる
練習問題
数字は毎回変わります。2〜3問続けて解けたら、次の単元や元のレッスンに進みましょう。