考え方
「どちらへ、どれだけ」を表すベクトルを成分で計算し、長さや、2つの向きのなす角を求められるようになります。力や速度の合成、地図上の移動、データ分析のコサイン類似度などで使います。
- ベクトル
- 向きと大きさをもつ量です。矢印で表し、置く場所が違っても、向きと長さが同じなら同じベクトルです。
- 成分 (a1,a2)
- x 方向に a1、y 方向に a2 進む、という表し方です。
- 大きさ ∣a∣
- 矢印の長さです。
- 内積 a⋅b
- 2つのベクトルの向きがどれだけそろっているかを表す数です。
ベクトルは「どちらへ、どれだけ」を表す矢印です。平面では、x 方向に a1、y 方向に a2 進む矢印を a=(a1,a2) と成分で書きます。足し算や実数倍は、成分ごとに計算できます。
大きさ(矢印の長さ)は、三平方の定理から ∣a∣=a12+a22 です。√ は足し算に分けられないので、∣a1∣+∣a2∣ にはなりません。
内積は a⋅b=∣a∣∣b∣cosθ(θ は2つのなす角)で、成分を使うと a1b1+a2b2 で計算できます。向きがそろうほど大きく、垂直なら 0、反対向きに近いと負になります。
この2つの式を組み合わせると、cosθ=∣a∣∣b∣a⋅b でなす角が求まります。θ は 0° から 180° の範囲で考え、cos が負なら鈍角です。
a=(3,1)、b=(1,2) では、内積 3×1+1×2=5、∣a∣∣b∣=10×5=52 なので、cosθ=22、θ = 45° です。ポイント
大きさ: ∣a∣=a12+a22
内積: a⋅b=a1b1+a2b2=∣a∣∣b∣cosθ
なす角: cosθ=∣a∣∣b∣a⋅b(0∘≤θ≤180∘)
垂直: a⊥b⟺a⋅b=0(a、b は 0 でない)
解き方の手順
- 内積を成分で計算します: a1b1+a2b2(負の数はかっこをつけて)。
- それぞれの大きさを求めてかけ合わせ、根号をできるだけ簡単な形にします。
- cosθ = 内積 ÷ 大きさの積 を計算します。
- cos の値から、0° 〜 180° の範囲で θ を決めます(22 なら 45°、−22 なら 135°)。
例
a=(2,−1)、b=(−3,−1) のなす角 θ を求めましょう。
- 内積: 2×(−3)+(−1)×(−1)=−6+1=−5
- ∣a∣=4+1=5、∣b∣=9+1=10 なので ∣a∣∣b∣=50=52
- cosθ=52−5=−22
- cos が負なので鈍角で、θ = 135° です。
2つのベクトルのなす角(の cos)は、データ分析で「コサイン類似度」として、文書や購買履歴の似ている度合いを測るのに使われます。
問いa=(−3,1)、b=(2,−4) のなす角 θ(0∘≤θ≤180∘)を求めてください。
途中の式
- 内積 a⋅b=−3⋅2+1⋅(−4)=−10
- ∣a∣=10、∣b∣=20 なので ∣a∣∣b∣=102
- cosθ=102−10=−22
- 0∘≤θ≤180∘ より θ=135∘
答えなす角 θ(度)は 135
一緒にやる
小さく分けて、一緒に解く
1つずつ答えを確かめながら進みます。間違えても大丈夫です。
2つのベクトルのなす角(の cos)は、データ分析で「コサイン類似度」として、文書や購買履歴の似ている度合いを測るのに使われます。
a=(4,2)、b=(4,12) のなす角 θ(0∘≤θ≤180∘)を求めてください。
小さな問いに分けて、1つずつ一緒に進めます。
ステップ 1 / 3
内積 a⋅b は?
自分でやる
練習問題
数字は毎回変わります。2〜3問続けて解けたら、次の単元や元のレッスンに進みましょう。