考え方
実際にわり算をしなくても余りを求めたり、3次方程式を「解を1つ見つけて2次方程式に落とす」方法で解いたりできるようになります。設計や物理で出てくる高次の式を扱う基本です。
- 剰余の定理
- 整式 P(x) を x−α でわった余りは P(α) です。
- 因数定理
- P(α)=0 なら、P(x) は x−α でわり切れます(x−α を因数にもちます)。
- 組立除法
- x−α でわる計算を、係数だけを並べて素早く行う方法です。
整式 P(x) を x−α でわった商を Q(x)、余りを R とすると、P(x)=(x−α)Q(x)+R と書けます。ここに x=α を代入すると、x−α=0 なので P(α)=R です。つまり、余りは P(α) を計算するだけで分かります(剰余の定理)。
わる式が x+2 のときは、x+2=x−(−2) なので α=−2 です。「わる式が 0 になる x を代入する」と覚えると、符号を間違えません。負の数は、かっこに入れて代入しましょう。
とくに P(α)=0 なら余りが 0、つまり P(x) は x−α でわり切れます(因数定理)。3次方程式は、P(α)=0 となる α を1つ見つけて P(x)=(x−α)×(2次式)と分ければ、残りは二次方程式として解けます。
α の候補は、x3 の係数が 1 なら、定数項の約数(プラスとマイナス)です。±1,±2,… と小さい数から代入して探します。
y=x3−2x2−5x+6=(x−1)(x+2)(x−3) のグラフ。x 軸との交点 x=−2,1,3 が、方程式 x3−2x2−5x+6=0 の解です。ポイント
P(x)=(x−α)Q(x)+R(Q は商、R は余り)
剰余の定理: P(x) を x−α でわった余りは P(α)
因数定理: P(α)=0 なら、P(x) は x−α でわり切れる
解の候補(x3 の係数が 1 のとき): ±(定数項の約数)
解き方の手順
- 余りを聞かれたら、わる式が 0 になる x(α)を P(x) に代入し、P(α) を計算します。
- 方程式なら、定数項の約数 ±1,±2,… を代入して、P(α)=0 となる α を探します。
- P(x) を x−α でわり(筆算か組立除法)、商の2次式を求めます。
- 2次式を因数分解(または解の公式)して残りの解を求め、「x = 1, -2, 3」のように並べて答えます。
例
方程式 x3−2x2−5x+6=0 を解いてください。
- P(x)=x3−2x2−5x+6 とおくと、P(1)=1−2−5+6=0
- 因数定理より P(x) は x−1 でわり切れ、組立除法などで商は x2−x−6
- P(x)=(x−1)(x2−x−6)=(x−1)(x+2)(x−3)
- 答え: x=1,−2,3
剰余の定理を使うと、実際に割り算をしなくても余りが分かります。
問いP(x)=x3−2x2−4x+1 を x−1 でわったときの余りを求めてください。
途中の式
- 剰余の定理: P(x) を x−α でわった余りは P(α) です。
- わる式は x−1 なので、余りは P(1)
- P(1)=13−2⋅12−4⋅1+1=−4
答え余りは -4
一緒にやる
小さく分けて、一緒に解く
1つずつ答えを確かめながら進みます。間違えても大丈夫です。
剰余の定理を使うと、実際に割り算をしなくても余りが分かります。
P(x)=x3−x2+2x−3 を x−1 でわったときの余りを求めてください。
小さな問いに分けて、1つずつ一緒に進めます。
ステップ 1 / 2
P(x) を x−1 でわった余りは P(□) で求められます。□ に入る数は?
自分でやる
練習問題
数字は毎回変わります。2〜3問続けて解けたら、次の単元や元のレッスンに進みましょう。