高校・数学II・式と方程式

式と証明の練習問題

二項定理・整式の除法・分数式・恒等式・等式と不等式の証明ができる。

考え方

(2x−1)5(2x - 1)^{5} のような式を全部展開しなくても、特定の項の係数を二項定理で求められるようになります。二項定理は、確率の二項分布や複利の近似計算にも出てくる基本の道具です。

二項定理
(a+b)n(a + b)^{n} を展開したときの各項を表す公式です。
二項係数
展開したときの係数 nCr{}_n\mathrm{C}_r です。パスカルの三角形の数と一致します。
恒等式
x にどんな値を入れても成り立つ等式です。両辺の同じ次数の係数が等しくなります。

(a+b)3=(a+b)(a+b)(a+b)(a + b)^{3} = (a + b)(a + b)(a + b) を展開するときは、3つのかっこから a か b を1つずつ選んでかけ合わせ、それを全部足します。ab2ab^{2} になるのは3つのかっこのうち b を選ぶ2つを決めたときで、その決め方は 3C2=3{}_3\mathrm{C}_2 = 3 通りです。だから ab2ab^{2} の係数は 3 になります。

同じように考えると、(a+b)n(a + b)^{n} の展開で an−rbra^{n - r}b^{r} の項の係数は nCr{}_n\mathrm{C}_r です。これを二項定理といい、係数を並べると、上の段の2つの数の和が下の段の数になる「パスカルの三角形」ができます。

(2x−1)5(2x - 1)^{5} のように、かっこの中に係数や負の数があるときは、2x2x と −1-1 をそれぞれ1つのかたまりとして当てはめます。係数は nCr{}_n\mathrm{C}_r に、x の係数の累乗と定数の累乗をかけたものです。負の数の累乗は、奇数乗なら負、偶数乗なら正です。

この単元では、ほかに整式のわり算、分数式、恒等式(両辺の係数を比べる)、等式・不等式の証明も学びます。不等式の証明は、「左辺 − 右辺」を2乗の形に直して 0 以上であることを示すのが基本です。

パスカルの三角形。上から 1 / 1 1 / 1 2 1 / 1 3 3 1 / 1 4 6 4 1 / 1 5 10 10 5 1 と並び、各段は (a + b) の 0 乗から 5 乗を展開したときの係数を表す。n = 01n = 111n = 2121n = 31331n = 414641n = 515101051
パスカルの三角形。各数は、すぐ上の左右2つの数の和です。上を 0 段目として、n 段目の数が (a+b)n(a + b)^{n} の係数 nC0,nC1,…,nCn{}_n\mathrm{C}_0, {}_n\mathrm{C}_1, \ldots, {}_n\mathrm{C}_n です。

ポイント

(a+b)n=nC0 an+nC1 an−1b+⋯+nCr an−rbr+⋯+nCn bn(a + b)^{n} = {}_n\mathrm{C}_0\,a^{n} + {}_n\mathrm{C}_1\,a^{n-1}b + \cdots + {}_n\mathrm{C}_r\,a^{n-r}b^{r} + \cdots + {}_n\mathrm{C}_n\,b^{n}

(px+q)n(px + q)^{n} の xrx^{r} の係数: nCr prqn−r{}_n\mathrm{C}_r\,p^{r}q^{n-r}

恒等式なら、両辺の同じ次数の項の係数が等しい

相加平均と相乗平均: a>0a > 0、b>0b > 0 のとき a+b2≥ab\dfrac{a + b}{2} \ge \sqrt{ab}

解き方の手順

  1. (px+q)n(px + q)^{n} の形で、p(x の係数)・q(定数項)・n を確かめます。
  2. 求める xrx^{r} の r を決めます(x の側を r 個、定数の側を n−rn - r 個選ぶ)。
  3. nCr{}_n\mathrm{C}_r を計算します。
  4. nCr×pr×qn−r{}_n\mathrm{C}_r \times p^{r} \times q^{n-r} を計算します。負の数の累乗の符号に注意します。

例

(2x−1)5(2x - 1)^{5} を展開したときの x3x^{3} の項の係数を求めてください。

  1. 2x2x を3個、−1-1 を2個選ぶ項なので、5C3 (2x)3(−1)2{}_5\mathrm{C}_3\,(2x)^{3}(-1)^{2}
  2. 5C3=5×4×33×2×1=10{}_5\mathrm{C}_3 = \frac{5 \times 4 \times 3}{3 \times 2 \times 1} = 10
  3. (2x)3=8x3(2x)^{3} = 8x^{3}、(−1)2=1(-1)^{2} = 1
  4. 係数は 10×8×1=8010 \times 8 \times 1 = 80

よくある間違い

練習問題でこの間違い方をしたときは、その場でお伝えします。

  • 二項係数 nCk の掛け忘れ二項定理の係数や二項分布の確率で、どの k 個を選ぶかの組合せの数 nCk を掛け忘れる。同じ形の項(同じ起こり方)は1通りではありません。何通りあるか(nCk)を掛けたか確かめましょう。

見る

計算例

二項定理を使うと、全部を展開しなくても特定の項の係数が分かります(確率の二項分布にも同じ形が出てきます)。

問い(x+3)6(x+3)^{6} を展開したときの、x4x^{4} の項の係数を求めてください。

途中の式

  1. 一般項は 6Cr xr⋅36−r{}_{6}\mathrm{C}_{r}\, x^{r} \cdot 3^{6 - r}
  2. x4x^{4} の項は r=4r = 4: 6C4⋅14⋅32=15×1×9=135{}_{6}\mathrm{C}_{4} \cdot 1^{4} \cdot 3^{2} = 15 \times 1 \times 9 = 135

答えx^4 の係数は 135

一緒にやる

小さく分けて、一緒に解く

1つずつ答えを確かめながら進みます。間違えても大丈夫です。

二項定理を使うと、全部を展開しなくても特定の項の係数が分かります(確率の二項分布にも同じ形が出てきます)。

(3x−3)4(3x-3)^{4} を展開したときの、x3x^{3} の項の係数を求めてください。

小さな問いに分けて、1つずつ一緒に進めます。

ステップ 1 / 2

4C3{}_{4}\mathrm{C}_{3} の値は?

自分でやる

練習問題

数字は毎回変わります。2〜3問続けて解けたら、次の単元や元のレッスンに進みましょう。

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前後の単元

分からないところがあったら前提まで戻り、分かったら使う先へ進みましょう。

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