考え方
(2x−1)5 のような式を全部展開しなくても、特定の項の係数を二項定理で求められるようになります。二項定理は、確率の二項分布や複利の近似計算にも出てくる基本の道具です。
- 二項定理
- (a+b)n を展開したときの各項を表す公式です。
- 二項係数
- 展開したときの係数 nCr です。パスカルの三角形の数と一致します。
- 恒等式
- x にどんな値を入れても成り立つ等式です。両辺の同じ次数の係数が等しくなります。
(a+b)3=(a+b)(a+b)(a+b) を展開するときは、3つのかっこから a か b を1つずつ選んでかけ合わせ、それを全部足します。ab2 になるのは3つのかっこのうち b を選ぶ2つを決めたときで、その決め方は 3C2=3 通りです。だから ab2 の係数は 3 になります。
同じように考えると、(a+b)n の展開で an−rbr の項の係数は nCr です。これを二項定理といい、係数を並べると、上の段の2つの数の和が下の段の数になる「パスカルの三角形」ができます。
(2x−1)5 のように、かっこの中に係数や負の数があるときは、2x と −1 をそれぞれ1つのかたまりとして当てはめます。係数は nCr に、x の係数の累乗と定数の累乗をかけたものです。負の数の累乗は、奇数乗なら負、偶数乗なら正です。
この単元では、ほかに整式のわり算、分数式、恒等式(両辺の係数を比べる)、等式・不等式の証明も学びます。不等式の証明は、「左辺 − 右辺」を2乗の形に直して 0 以上であることを示すのが基本です。
パスカルの三角形。各数は、すぐ上の左右2つの数の和です。上を 0 段目として、n 段目の数が (a+b)n の係数 nC0,nC1,…,nCn です。ポイント
(a+b)n=nC0an+nC1an−1b+⋯+nCran−rbr+⋯+nCnbn
(px+q)n の xr の係数: nCrprqn−r
恒等式なら、両辺の同じ次数の項の係数が等しい
相加平均と相乗平均: a>0、b>0 のとき 2a+b≥ab
解き方の手順
- (px+q)n の形で、p(x の係数)・q(定数項)・n を確かめます。
- 求める xr の r を決めます(x の側を r 個、定数の側を n−r 個選ぶ)。
- nCr を計算します。
- nCr×pr×qn−r を計算します。負の数の累乗の符号に注意します。
例
(2x−1)5 を展開したときの x3 の項の係数を求めてください。
- 2x を3個、−1 を2個選ぶ項なので、5C3(2x)3(−1)2
- 5C3=3×2×15×4×3=10
- (2x)3=8x3、(−1)2=1
- 係数は 10×8×1=80
よくある間違い
練習問題でこの間違い方をしたときは、その場でお伝えします。
- 二項係数 nCk の掛け忘れ二項定理の係数や二項分布の確率で、どの k 個を選ぶかの組合せの数 nCk を掛け忘れる。同じ形の項(同じ起こり方)は1通りではありません。何通りあるか(nCk)を掛けたか確かめましょう。
二項定理を使うと、全部を展開しなくても特定の項の係数が分かります(確率の二項分布にも同じ形が出てきます)。
問い(x+3)6 を展開したときの、x4 の項の係数を求めてください。
途中の式
- 一般項は 6Crxr⋅36−r
- x4 の項は r=4: 6C4⋅14⋅32=15×1×9=135
答えx^4 の係数は 135
一緒にやる
小さく分けて、一緒に解く
1つずつ答えを確かめながら進みます。間違えても大丈夫です。
二項定理を使うと、全部を展開しなくても特定の項の係数が分かります(確率の二項分布にも同じ形が出てきます)。
(3x−3)4 を展開したときの、x3 の項の係数を求めてください。
小さな問いに分けて、1つずつ一緒に進めます。
ステップ 1 / 2
4C3 の値は?
自分でやる
練習問題
数字は毎回変わります。2〜3問続けて解けたら、次の単元や元のレッスンに進みましょう。