考え方
「変化の速さが今の量に比例する」のような関係(微分方程式)から、量を時間の式で表せるようになります。在庫の減り方、放射性物質の減衰、人口や預金の成長、薬の血中濃度のモデルです。
- 微分方程式
- 未知の関数 y(t) と、その導関数 dtdy の関係を表す式。
- 一般解・特殊解
- 任意の定数を含むすべての解(一般解)と、初期条件 y(0)=y0 などで定数を決めた解(特殊解)。
- 変数分離形
- dtdy=f(t)g(y) のように、y の部分と t の部分に分けられる形。
在庫が「残っている量に比例する速さで」売れていくなら、dtdy=−ky(k>0)と書けます。量が多いうちは速く減り、少なくなるとゆっくり減ります。このような「変化の速さ」の式から y を求めるのが、微分方程式を解くことです。
変数分離形は、y を含む部分を左辺、t を含む部分を右辺に集めてから、両辺を積分します。y1dy=−kdt を積分すると、log∣y∣=−kt+C です。
指数に戻すと ∣y∣=e−kt+C=eCe−kt なので、y=Ae−kt(A は定数)が一般解です。e−kt+C を e−kt+C としないよう注意します。最後に t=0 を代入すると y(0)=A なので、A は最初の量です。
1階線形微分方程式 dtdy+P(t)y=Q(t) は、両辺に e∫P(t)dt(積分因子)をかけると左辺が1つの積の微分になり、積分して解けます。
y=4e−0.5t(dtdy=−0.5y の解)。点線は接線で、その傾きが減る速さです。量が多い t=0 では速く、量が少ない t=3 ではゆっくり減ります。ポイント
dtdy=ky の一般解: y=Aekt(A=y(0))
変数分離: dtdy=f(t)g(y)⇒∫g(y)dy=∫f(t)dt
1階線形: dtdy+P(t)y=Q(t) は、両辺に e∫P(t)dt をかけて積分する
解き方の手順
- y の部分を左辺、t の部分を右辺に分ける(y1dy=−kdt)。
- 両辺を積分し、積分定数 C をつける(log∣y∣=−kt+C)。
- 指数の形に直して y=Ae−kt とする(ea+C=eCea)。
- t=0 を代入して A を決め、y を t の式で答える。
例
細菌の数 y が dtdy=0.2y(t は時間)に従い、最初は 500 個です。y を t の式で表してください。
- 変数分離: y1dy=0.2dt
- 両辺を積分: log∣y∣=0.2t+C
- y=Ae0.2t(A=±eC)
- y(0)=A=500 より y=500e0.2t
季節商品の在庫 y(個)は、残っている在庫に比例する速さで売れていき、dtdy=−0.1y(t は週)を満たすとします。最初(t=0)の在庫は 1100 個です。
- 最初の在庫
- 1,100個
問い微分方程式 dtdy=−0.1y、y(0)=1100 を解き、y を t の式で答えてください。
途中の式
- 変数分離: y1dy=−0.1dt
- 両辺を積分: log∣y∣=−0.1t+C
- ∣y∣=e−0.1t+C=eCe−0.1t なので y=Ae−0.1t(A=±eC)
- y(0)=A=1100 より y=1100e−0.1t
- 注意: e−0.1t+C は e−0.1t+C ではなく eCe−0.1t です(指数法則 ep+q=epeq)。
答えy(t の式。例: y = 3e^(2t))は 1100e−0.1t
一緒にやる
小さく分けて、一緒に解く
1つずつ答えを確かめながら進みます。間違えても大丈夫です。
季節商品の在庫 y(個)は、残っている在庫に比例する速さで売れていき、dtdy=−0.4y(t は週)を満たすとします。最初(t=0)の在庫は 1600 個です。
微分方程式 dtdy=−0.4y、y(0)=1600 を解き、y を t の式で答えてください。
小さな問いに分けて、1つずつ一緒に進めます。
ステップ 1 / 3
変数を分離すると y1dy=−0.4dt。右辺 −0.4 を t で積分すると?(積分定数 C も付けて)
自分でやる
練習問題
数字は毎回変わります。2〜3問続けて解けたら、次の単元や元のレッスンに進みましょう。