考え方
数を並べたベクトルの足し算・スカラー倍と、いくつかのベクトルの組み合わせ(線形結合)で目標を作る計算ができるようになります。栄養素の配合、ポートフォリオ、データの特徴量の扱いの基本です。
- 数ベクトル
- 数を並べた組 (a1,a2,…,an)。n 個の成分をもつものを n 次元ベクトルという。
- スカラー倍
- ベクトルのすべての成分を同じ数倍すること。
- 線形結合
- su+tv のように、ベクトルを数倍して足し合わせたもの。
食品 P 1袋に(たんぱく質, 食物繊維)が (3,1) g 含まれるとき、この組をベクトル u=(3,1) と見ます。2袋なら 2u=(6,2)、別の食品 v と合わせれば u+v です。足し算もスカラー倍も、成分ごとに計算します。
平面のベクトルは原点からの矢印で描けます。足し算は矢印をつなぐこと、スカラー倍は矢印を伸び縮み(負なら反対向き)させることです。成分が3つ以上になっても、計算のきまりは同じです。
目標 w を su+tv で作れるかは、成分ごとに等式を書くと s, t の連立一次方程式になります。u と v が平行でなければ、平面のどんな w もただ1通りに作れます。
この連立方程式は、u, v を列に並べた行列 A を使って A(st)=w とも書けます。これが次の「行列」の単元につながります。
u=(3,1) を3倍、v=(1,2) を2倍してつなぐと、目標 w=(11,7) に届きます。w=3u+2v です。ポイント
(a1,a2)+(b1,b2)=(a1+b1,a2+b2)、k(a1,a2)=(ka1,ka2)
線形結合: su+tv=(su1+tv1, su2+tv2)
su+tv=w⟺{u1s+v1t=w1u2s+v2t=w2
解き方の手順
- su+tv=w を成分ごとに書き、s, t の連立方程式にする。
- 加減法で一方の文字を消して、もう一方を求める。
- 求めた値を代入して、残りの文字を求める。
- su+tv を計算し直して、w になるか確かめる。
例
u=(3,1)、v=(1,2) のとき、w=(11,7) を su+tv で表す (s,t) を求めてください。
- 成分ごとに書くと {3s+t=11s+2t=7
- 上の式 ×2 − 下の式: 5s=15 より s=3
- 上の式に代入: 9+t=11 より t=2
- 確かめ: 3(3,1)+2(1,2)=(11,7)。答えは (s,t)=(3,2)
2種類の食品を組み合わせて、たんぱく質と食物繊維の量を目標に合わせます。食品 P 1袋には(たんぱく質, 食物繊維)=u=(2,4)(g)、食品 Q 1袋には v=(3,3)(g)が含まれます。
問い目標 w=(9,15) を su+tv(P を s 袋、Q を t 袋)で作るとき、(s,t) を求めてください。
途中の式
- 成分ごとに書くと {2s+3t=94s+3t=15
- t を消去: 上の式 ×3 − 下の式 ×3 より −6s=−18、s=3
- 上の式に代入して 3t=3、t=1
- (s,t)=(3,1)。確かめ: 3(2,4)+1(3,3)=(9,15)
答え(s, t)は (3,1)