考え方
積分の区間が無限に続く場合や、端で関数が無限大になる場合の積分(広義積分)を、極限として計算できるようになります。ずっと続く効果の合計、無限遠までの仕事、確率分布の計算に使います。
- 広義積分
- 区間の端が無限大、または端で関数が発散するときの積分。有限の区間で積分してから極限をとって決める。
- 収束・発散
- 極限が有限の値に決まれば収束、決まらなければ(無限大になれば)発散。
グラフと x 軸の間の部分が右へ無限に続いていても、高さが十分速く 0 に近づけば、面積の合計は有限になることがあります。毎日減っていく問い合わせ件数の合計が、ある件数に落ち着くのと同じです。
計算は2段階です。まず上端を有限の R にして普通に積分し、そのあと R→∞ の極限をとります。「上端の極限 − 下端の値」の順に引くことに注意します。
e−kt(k>0)の不定積分は −k1e−kt で、t→∞ で 0 に近づくので、∫0∞e−ktdt=k1 です。xp1 の形は、∫1∞ なら p>1 で収束し、p≤1 で発散します。
端で関数が無限大になる ∫01x1dx のような場合も、下端を ε にして ε→+0 とすれば同じように計算できます(値は 2)。
y=e−x のグラフと x 軸の間は右へ限りなく続きますが、高さがすぐに 0 に近づくので、面積の合計は ∫0∞e−xdx=1 に収まります。ポイント
∫a∞f(x)dx=R→∞lim∫aRf(x)dx
∫e−ktdt=−k1e−kt+C、∫0∞e−ktdt=k1(k>0)
∫x−pdx=−p+1x−p+1+C(p=1)。∫1∞xpdx は p>1 で収束
解き方の手順
- 不定積分 F(x) を求める(e−kt なら k で割って符号を変える、x−p なら指数を1つ上げてその数で割る)。
- 上端を R として、F(R)−F(a) を計算する。
- R→∞ の極限をとる(e−kR→0、Rm1→0)。
- 「上端の極限 − 下端の値」を計算し、既約分数で答える。
例
∫2∞x412dx を求めてください。
- x412=12x−4 の不定積分は −312x−3=−x34
- ∫2Rx412dx=−R34−(−234)=−R34+21
- R→∞ で −R34→0 なので、答えは 21
広告を出してから t 日後の、1日あたりの問い合わせ件数が 90e−0.5t 件と見込まれています。効果がずっと続くとみなしたときの問い合わせ件数の合計は、広義積分で求められます。
問い∫0∞90e−0.5tdt を求めてください。
途中の式
- ∫0∞90e−0.5tdt=R→∞lim∫0R90e−0.5tdt
- 不定積分: ∫90e−0.5tdt=−0.590e−0.5t+C=−180e−0.5t+C
- =R→∞lim[−180e−0.5t]0R=0−(−180)=180
答え問い合わせ件数の合計(分数は既約分数で)は 180
一緒にやる
小さく分けて、一緒に解く
1つずつ答えを確かめながら進みます。間違えても大丈夫です。
広告を出してから t 日後の、1日あたりの問い合わせ件数が 30e−0.5t 件と見込まれています。効果がずっと続くとみなしたときの問い合わせ件数の合計は、広義積分で求められます。
∫0∞30e−0.5tdt を求めてください。
小さな問いに分けて、1つずつ一緒に進めます。
ステップ 1 / 3
30e−0.5t の不定積分を F(t) とします。F(t) は?(積分定数 C も付けて)
自分でやる
練習問題
数字は毎回変わります。2〜3問続けて解けたら、次の単元や元のレッスンに進みましょう。