考え方
「前の月の値から次の月の値が決まる」というルール(漸化式)から、n か月目の値をすぐに計算できる式(一般項)を作れるようになります。在庫・会員数・ローン残高など、同じ操作をくり返す変化の予測に使います。
- 漸化式
- 前の項から次の項を決める式です。例: an+1=21an+20
- 一般項
- n を入れるだけで an が求まる、n の式です。
- 特性方程式 α=pα+q
- 漸化式の an+1 と an を同じ α にした式です。解 α は、ルールを当てはめても変わらない値(落ち着く先)です。
- 数学的帰納法
- 「n = 1 で正しい」と「n = k で正しければ n = k + 1 でも正しい」を示して、すべての n で正しいと結論する証明の方法です。
在庫が毎月半分出荷され、そのあと 20 個補充されるとします。n か月目の在庫を an とすると an+1=21an+20 です。このように前の値から次の値を決める式を漸化式といいます。
a1 がわかれば a2,a3,… と順に計算できますが、100か月目を知るのに100回計算するのは大変です。そこで n の式(一般項)を求めます。an+1=an+d なら等差数列、an+1=ran なら等比数列なので、すぐに書けます。
an+1=pan+q の形では、ルールを当てはめても変わらない値 α を探します。α=pα+q をもとの式から辺ごとに引くと、q が消えて an+1−α=p(an−α) になります。つまり「α からのずれ」bn=an−α は、公比 p の等比数列です。
bn=(a1−α)pn−1 なので、α を足して戻すと an=(a1−α)pn−1+α です。在庫の例では α = 40 で、ずれが毎月半分になり、在庫は 40 個に近づいていきます(下の図)。
数学的帰納法は、こうして求めた式がすべての n で正しいことを示す方法です。「n = 1 で成り立つ」「n = k で成り立てば n = k + 1 でも成り立つ」の2つを示せば、ドミノ倒しのようにすべての n で成り立ちます。
a1=100、an+1=21an+20 の数列。40 からのずれは 60, 30, 15, 7.5, … と毎回 21 倍になり、an は 40 に近づきます。ポイント
an+1=pan+q は、α=pα+q を満たす α を使って an+1−α=p(an−α) と変形できる
一般項: an=(a1−α)pn−1+α
数学的帰納法: (1) n = 1 で成り立つ (2) n = k で成り立つと仮定すると n = k + 1 でも成り立つ → すべての自然数 n で成り立つ
解き方の手順
- 漸化式を an+1=pan+q の形で読み、p と q を確かめます。
- α=pα+q を解いて α を求めます(移項するときは符号を変えます)。
- bn=an−α は公比 p の等比数列です。初項 b1=a1−α を計算します。
- bn=b1pn−1 に α を足して、an=b1pn−1+α とします。
- n = 1, 2 を代入して、a1・a2 と一致するか確かめます。
例
a1=5、an+1=3an−4 で決まる数列の一般項を求めましょう。
- α=3α−4 を解くと、−2α=−4 より α=2
- 漸化式は an+1−2=3(an−2) と変形できます。
- bn=an−2 は、初項 b1=5−2=3、公比 3 の等比数列なので bn=3⋅3n−1
- an=3⋅3n−1+2(=3n+2)。確かめ: a2=3×5−4=11 で、式でも 32+2=11 です。
ある会員制サービスでは、紹介によって毎月会員が 2 倍になり、そのあと 15 人が退会します。1か月目の会員は 45 人です。n か月目の会員を an 人とすると、a1=45、an+1=2an−15 が成り立ちます。
- a₁
- 45人
- 毎月の退会
- 15人
問い一般項 an を n の式で求めてください。
途中の式
- α=2α−15 を解くと α=15
- 漸化式は an+1−15=2(an−15) と変形できます。
- bn=an−15 とおくと、{bn} は初項 b1=45−15=30、公比 2 の等比数列
- bn=30⋅2n−1 より an=30⋅2n−1+15
答えa_n(n の式)は 30⋅2n−1+15
一緒にやる
小さく分けて、一緒に解く
1つずつ答えを確かめながら進みます。間違えても大丈夫です。
ある会員制サービスでは、紹介によって毎月会員が 3 倍になり、そのあと 26 人が退会します。1か月目の会員は 43 人です。n か月目の会員を an 人とすると、a1=43、an+1=3an−26 が成り立ちます。
一般項 an を n の式で求めてください。
小さな問いに分けて、1つずつ一緒に進めます。
ステップ 1 / 4
α=3α−26 を満たす α は?
自分でやる
練習問題
数字は毎回変わります。2〜3問続けて解けたら、次の単元や元のレッスンに進みましょう。