高校・数学B・式と方程式

漸化式と数学的帰納法の練習問題

漸化式から一般項を求め、数学的帰納法で証明できる。

考え方

「前の月の値から次の月の値が決まる」というルール(漸化式)から、n か月目の値をすぐに計算できる式(一般項)を作れるようになります。在庫・会員数・ローン残高など、同じ操作をくり返す変化の予測に使います。

漸化式
前の項から次の項を決める式です。例: an+1=12an+20a_{n+1} = \frac{1}{2}a_n + 20
一般項
n を入れるだけで ana_n が求まる、n の式です。
特性方程式 α=pα+q\alpha = p\alpha + q
漸化式の an+1a_{n+1} と ana_n を同じ α にした式です。解 α は、ルールを当てはめても変わらない値(落ち着く先)です。
数学的帰納法
「n = 1 で正しい」と「n = k で正しければ n = k + 1 でも正しい」を示して、すべての n で正しいと結論する証明の方法です。

在庫が毎月半分出荷され、そのあと 20 個補充されるとします。n か月目の在庫を ana_n とすると an+1=12an+20a_{n+1} = \frac{1}{2}a_n + 20 です。このように前の値から次の値を決める式を漸化式といいます。

a1a_1 がわかれば a2,a3,…a_2, a_3, \ldots と順に計算できますが、100か月目を知るのに100回計算するのは大変です。そこで n の式(一般項)を求めます。an+1=an+da_{n+1} = a_n + d なら等差数列、an+1=rana_{n+1} = ra_n なら等比数列なので、すぐに書けます。

an+1=pan+qa_{n+1} = pa_n + q の形では、ルールを当てはめても変わらない値 α を探します。α=pα+q\alpha = p\alpha + q をもとの式から辺ごとに引くと、q が消えて an+1−α=p(an−α)a_{n+1} - \alpha = p(a_n - \alpha) になります。つまり「α からのずれ」bn=an−αb_n = a_n - \alpha は、公比 p の等比数列です。

bn=(a1−α)pn−1b_n = (a_1 - \alpha)p^{n-1} なので、α を足して戻すと an=(a1−α)pn−1+αa_n = (a_1 - \alpha)p^{n-1} + \alpha です。在庫の例では α = 40 で、ずれが毎月半分になり、在庫は 40 個に近づいていきます(下の図)。

数学的帰納法は、こうして求めた式がすべての n で正しいことを示す方法です。「n = 1 で成り立つ」「n = k で成り立てば n = k + 1 でも成り立つ」の2つを示せば、ドミノ倒しのようにすべての n で成り立ちます。

a₁ = 100、aₙ₊₁ = ½aₙ + 20 で決まる数列を折れ線で表したグラフ。100、70、55、47.5、… と減りながら、点線の 40 に近づいていく。020406080100a₁a₂a₃a₄a₅a₆α = 40
a1=100a_1 = 100、an+1=12an+20a_{n+1} = \frac{1}{2}a_n + 20 の数列。40 からのずれは 60, 30, 15, 7.5, … と毎回 12\frac{1}{2} 倍になり、ana_n は 40 に近づきます。

ポイント

an+1=pan+qa_{n+1} = pa_n + q は、α=pα+q\alpha = p\alpha + q を満たす α を使って an+1−α=p(an−α)a_{n+1} - \alpha = p(a_n - \alpha) と変形できる

一般項: an=(a1−α)pn−1+αa_n = (a_1 - \alpha)p^{n-1} + \alpha

数学的帰納法: (1) n = 1 で成り立つ (2) n = k で成り立つと仮定すると n = k + 1 でも成り立つ → すべての自然数 n で成り立つ

解き方の手順

  1. 漸化式を an+1=pan+qa_{n+1} = pa_n + q の形で読み、p と q を確かめます。
  2. α=pα+q\alpha = p\alpha + q を解いて α を求めます(移項するときは符号を変えます)。
  3. bn=an−αb_n = a_n - \alpha は公比 p の等比数列です。初項 b1=a1−αb_1 = a_1 - \alpha を計算します。
  4. bn=b1pn−1b_n = b_1 p^{n-1} に α を足して、an=b1pn−1+αa_n = b_1 p^{n-1} + \alpha とします。
  5. n = 1, 2 を代入して、a1a_1・a2a_2 と一致するか確かめます。

例

a1=5a_1 = 5、an+1=3an−4a_{n+1} = 3a_n - 4 で決まる数列の一般項を求めましょう。

  1. α=3α−4\alpha = 3\alpha - 4 を解くと、−2α=−4-2\alpha = -4 より α=2\alpha = 2
  2. 漸化式は an+1−2=3(an−2)a_{n+1} - 2 = 3(a_n - 2) と変形できます。
  3. bn=an−2b_n = a_n - 2 は、初項 b1=5−2=3b_1 = 5 - 2 = 3、公比 3 の等比数列なので bn=3⋅3n−1b_n = 3 \cdot 3^{n-1}
  4. an=3⋅3n−1+2a_n = 3 \cdot 3^{n-1} + 2(=3n+2= 3^{n} + 2)。確かめ: a2=3×5−4=11a_2 = 3 \times 5 - 4 = 11 で、式でも 32+2=113^{2} + 2 = 11 です。

見る

計算例

ある会員制サービスでは、紹介によって毎月会員が 2 倍になり、そのあと 15 人が退会します。1か月目の会員は 45 人です。n か月目の会員を ana_n 人とすると、a1=45a_1 = 45、an+1=2an−15a_{n+1} = 2a_n - 15 が成り立ちます。

会員数の1か月目から5か月目までの推移を表す折れ線グラフ01002003004005001か月目2か月目3か月目4か月目5か月目(人)
a₁
45人
毎月の退会
15人

問い一般項 ana_n を n の式で求めてください。

途中の式

  1. α=2α−15\alpha = 2\alpha - 15 を解くと α=15\alpha = 15
  2. 漸化式は an+1−15=2(an−15)a_{n+1} - 15 = 2(a_n - 15) と変形できます。
  3. bn=an−15b_n = a_n - 15 とおくと、{bn}\{b_n\} は初項 b1=45−15=30b_1 = 45 - 15 = 30、公比 22 の等比数列
  4. bn=30⋅2n−1b_n = 30 \cdot 2^{n - 1} より an=30⋅2n−1+15a_n = 30 \cdot 2^{n - 1} + 15

答えa_n(n の式)は 30⋅2n−1+1530 \cdot 2^{n - 1} + 15

一緒にやる

小さく分けて、一緒に解く

1つずつ答えを確かめながら進みます。間違えても大丈夫です。

ある会員制サービスでは、紹介によって毎月会員が 3 倍になり、そのあと 26 人が退会します。1か月目の会員は 43 人です。n か月目の会員を ana_n 人とすると、a1=43a_1 = 43、an+1=3an−26a_{n+1} = 3a_n - 26 が成り立ちます。

会員数の1か月目から5か月目までの推移を表す折れ線グラフ050010001500200025001か月目2か月目3か月目4か月目5か月目(人)

一般項 ana_n を n の式で求めてください。

小さな問いに分けて、1つずつ一緒に進めます。

ステップ 1 / 4

α=3α−26\alpha = 3\alpha - 26 を満たす α は?

分数は 3/4、ルートは √3(または sqrt(3))、累乗は 2^3、円周率は π と入力できます。

読み取り:(入力すると、ここに数式で表示されます)

自分でやる

練習問題

数字は毎回変わります。2〜3問続けて解けたら、次の単元や元のレッスンに進みましょう。

問題を準備しています…

学び直しマップ

前後の単元

分からないところがあったら前提まで戻り、分かったら使う先へ進みましょう。

学び直しマップで、この単元のまわりを見る