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仮説検定(t 検定・カイ二乗検定)の練習問題

帰無仮説・p 値・有意水準を正しく解釈し、A/B テストなどを検定できる。

考え方

「新しいデザインで滞在時間は変わったか」のような問いを、帰無仮説・検定統計量・p 値・有意水準の手順で判断し、結果を正しく解釈できるようになります。A/B テスト、品質管理、アンケートの比較で使います。

帰無仮説 H0H_0
「差はない・変わらない」という、否定できるかを調べる仮説。対立仮説 H1H_1 は「差がある」。
検定統計量
データのずれが、偶然のばらつき(標準誤差)の何個分かを表す値(zz や tt)。
p 値
帰無仮説が正しいと仮定したとき、今回以上に極端なデータが偶然に出る確率。
有意水準 α\alpha
「これより小さい確率なら偶然とは考えにくい」とあらかじめ決める基準(ふつう 5%)。

検定は背理法に似ています。まず「変わっていない(μ=μ0\mu = \mu_0)」と仮定し、そのもとで今回のデータがどれくらい珍しいかを調べます。とても珍しければ、仮定のほうを疑って棄却します。

珍しさは、検定統計量 z=xˉ−μ0σ/nz = \dfrac{\bar{x} - \mu_0}{\sigma/\sqrt{n}} で測ります。帰無仮説のもとで zz はほぼ標準正規分布に従うので、両側検定・有意水準 5% なら ∣z∣>1.96|z| > 1.96 で棄却します。

p 値は「帰無仮説が正しい確率」でも「効果の大きさ」でもありません。帰無仮説が正しいとしたら、これ以上に極端なデータが出る確率です。棄却できなくても、「差がない」と証明されたわけではありません。

母標準偏差が分からず標本から推定するときは tt 検定、カテゴリの度数の偏りを調べるときはカイ二乗検定を使います。考え方の流れは同じです。

標準正規分布の曲線。z が −1.96 より小さい部分と 1.96 より大きい部分(それぞれ 2.5%)を塗り、z = 2 の位置に点線z95%2.5%2.5%-1.9601.96今回の z = 2
帰無仮説のもとでの zz の分布(標準正規分布)。両端の色の部分(∣z∣>1.96|z| > 1.96、合わせて 5%)に入れば、偶然とは考えにくいとして帰無仮説を棄却します。例題の z=2z = 2 はこの部分に入ります。

ポイント

z=xˉ−μ0σ/nz = \dfrac{\bar{x} - \mu_0}{\sigma/\sqrt{n}}(両側検定・有意水準 5% では ∣z∣>1.96|z| > 1.96 で棄却)

t=xˉ−μ0s/nt = \dfrac{\bar{x} - \mu_0}{s/\sqrt{n}}(ss は標本の標準偏差。自由度 n−1n - 1 の tt 分布で判断)

χ2=∑(O−E)2E\chi^2 = \displaystyle\sum\frac{(O - E)^2}{E}(OO: 観測度数、EE: 期待度数)

解き方の手順

  1. 帰無仮説 H0H_0: μ=μ0\mu = \mu_0 と、対立仮説 H1H_1: μ≠μ0\mu \neq \mu_0 を立てる。
  2. 標準誤差 σn\dfrac{\sigma}{\sqrt{n}} を計算する。
  3. 検定統計量 z=xˉ−μ0σ/nz = \dfrac{\bar{x} - \mu_0}{\sigma/\sqrt{n}} を計算する(符号はそのまま。分数で答えてよい)。
  4. ∣z∣|z| と 1.96 を比べて、棄却するかを決める。p 値は「H0H_0 のもとで今回以上に極端な結果が出る確率」と読む。

例

これまでの平均滞在時間は 120 秒、標準偏差は 30 秒でした。新デザインを 100 人に見せたら平均 126 秒でした。検定統計量 zz を求め、有意水準 5% で判断してください。

  1. H0H_0: μ=120\mu = 120、H1H_1: μ≠120\mu \neq 120
  2. 標準誤差: 30100=3\dfrac{30}{\sqrt{100}} = 3
  3. z=126−1203=2z = \dfrac{126 - 120}{3} = 2
  4. ∣z∣=2>1.96|z| = 2 > 1.96 なので、有意水準 5% で H0H_0 を棄却します(p 値は約 0.046)。滞在時間は変わったといえます。

よくある間違い

練習問題でこの間違い方をしたときは、その場でお伝えします。

  • p 値の誤った解釈p 値を「帰無仮説が正しい確率」や「効果の大きさ」と解釈する。p 値は「帰無仮説が正しいとしたら、これ以上に極端なデータが出る確率」です。

見る

計算例

これまでのサイトでは、1人あたりの平均滞在時間は 240 秒、標準偏差は 40 秒でした。新しいデザインを無作為に選んだ 16 人に見てもらったところ、平均滞在時間は 210 秒でした(標準偏差は変わらないとします)。

これまでの平均
240秒
標準偏差
40秒
人数
16人
新デザインの平均
210秒

問い帰無仮説「平均滞在時間は変わらない(μ=μ0\mu = \mu_0)」のもとで、検定統計量 z=xˉ−μ0σ/nz = \dfrac{\bar{x} - \mu_0}{\sigma/\sqrt{n}} の値を求めてください。

途中の式

  1. 帰無仮説 H0H_0: μ=240\mu = 240、対立仮説 H1H_1: μ≠240\mu \neq 240
  2. 標準誤差: σn=4016=10\dfrac{\sigma}{\sqrt{n}} = \dfrac{40}{\sqrt{16}} = 10
  3. z=210−24010=−3z = \dfrac{210 - 240}{10} = -3
  4. ∣z∣>1.96|z| > 1.96 なので、有意水準 5% で帰無仮説を棄却します(平均滞在時間は変わったといえる)。両側検定の p 値は約 0.003 です。
  5. p 値は「帰無仮説が正しいとしたら、今回以上に極端なデータが偶然に出る確率」です。帰無仮説が正しい確率や、効果の大きさではありません。

答え検定統計量 zは −3-3

一緒にやる

小さく分けて、一緒に解く

1つずつ答えを確かめながら進みます。間違えても大丈夫です。

これまでのサイトでは、1人あたりの平均滞在時間は 120 秒、標準偏差は 50 秒でした。新しいデザインを無作為に選んだ 25 人に見てもらったところ、平均滞在時間は 145 秒でした(標準偏差は変わらないとします)。

帰無仮説「平均滞在時間は変わらない(μ=μ0\mu = \mu_0)」のもとで、検定統計量 z=xˉ−μ0σ/nz = \dfrac{\bar{x} - \mu_0}{\sigma/\sqrt{n}} の値を求めてください。

小さな問いに分けて、1つずつ一緒に進めます。

ステップ 1 / 3

標準誤差 σn\dfrac{\sigma}{\sqrt{n}} は?

自分でやる

練習問題

数字は毎回変わります。2〜3問続けて解けたら、次の単元や元のレッスンに進みましょう。

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分からないところがあったら前提まで戻り、分かったら使う先へ進みましょう。

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